嫌儲とまとめサイト祭り、なんとなくの感想

しっぽのブログ: 「嫌儲」の心理と正義感、資本主義、あと転載について。

いろんなところで、いろんな人がこのことについて書いている。
なのでそんなにあれこれと書くのは遠慮するけれど、
なるほど「嫌儲」というのはこれからもっと注目されるようになるワードだろう。
起業っていう選択をすると、どっかで嫌儲という壁にぶつからざるを得ないから。


ひろゆきみたいに、組織を背負わずに、生きていけるぐらいの収入があれば良い、そういうやり方なら回避できるかも。
ただし、上の両方を満たすのはかなり難しい。
個人でやるなら、ときどきはガツンと儲けておかないと、低調なときに生きていけない。
組織でやるなら、どこかで安定して儲けないと、自分以外のメンバーを維持できない。
要するに、非常に優秀でリスク耐性の高い鈍感な個人じゃないとひろゆき的な生き方は難しい(はず)


僕個人は、まとめサイト管理人の問題は、とにかく態度が悪かったことに尽きると思う。
もちろん外から眺めているだけにすぎないけど、WEB上に流れている内容を見るかぎり、
「顧客=VIPPER」の怒りを買うのは当然だろう。そこに情状酌量の余地はないかな。


いっぽうで、著作権やら脱税の問題ってのは単純に揚げ足取り、とも思う。
そうであるなら、サイト管理人はしっかり裁判だのなんだので戦うべきだったかも。
閉鎖したり謝罪したりで、感情に任せた暴徒に勝てる者なし、という結論になってしまった。
すごく風通しが悪くて、ああWEBの片隅も(当然かもだけど)救いがないんだなあとか思った。


WEB上に投げ出された匿名情報を編集して、2次的なコンテンツにする。
それはかなり高度なスキルを要する仕事だ。新種の編集者というか。堂々たるビジネスだと思う。
まとめサイト管理というのは、家にひきこもっていてもできる新しい職業になり得た。
政府の想定しているフリーター・ニート支援のどれよりも、
実は現実的で可能性のある選択肢だったと思うだけにちょっと残念だったりする。


ただ、管理者側も人間の感情みたいなところの危機管理がスポンと抜けてたのかな。
1次コンテンツをボランティア(?)で書き込む人がいてナンボのビジネスだったわけで、
ゼロからイチをつくってくれている不特定多数への感謝をカタチで表しておくべきだった。
それこそ利益の一部寄贈とか、そもそも感謝の念とか。
まあ自分の立場というか役割を、冷静に見れなかったのかも。


で、改めて嫌儲。ま、やっかみだよね。
ただし今まで、他人様を騙して稼ぐビジネスというか、提供者と受益者がゼロサムなサービスが多かったのが影響してるかなあと思ったりもする。
そういうくだらないサービスの歴史のツケで、こんな風潮も生まれたのかな。
卑近な例でいえば、今のCD業界やら映画業界やら、そんなのばっかな気がする。


僕は儲けたくてしょうがないっていうのとはかけ離れた人間な気がするけれど、
それでも儲けて好かれるっていうぐらいの風潮が定着しないと、辛いな。
個人であっても組織であっても、自分で事業を立ち上げてやっていくのはリスキー、
すぐ足を払われる。そういう空気がまとわりついてくるのは鬱陶しい。


追記:

スーツ=金儲けの発想はもともとVIPの(理想的)価値観にはないのです。もっと刹那的で蕩尽的な発想が良いとしたものです。例えば突発的にみかんを大量に買ったり無意味におっぱいをうpするとか。これをもう少し格好良く言うと「贈与経済」になります。「祭り」とか「ポトラッチ」とか言い換えてもいいです。大阪商人に対する宵越しの銭は持たない江戸っ子みたいなものでしょうか。ついでにいうと炎上と煽りはネットの華です。
萌え理論Blog - VIPPERvsVIPBLOGの要点

なるほど。
カッコよくいうとVIPは前田慶次ばりの傾奇者で、まあ世の中的には扱いに困る。
と、そういうことか。