広告が嫌いだ

さっきの「ウケる日記」の話ともつながるんだけど。僕は、思考停止状態でなにかを盲目的に良しとする風潮みたいなのが、すごく気持ち悪いんです。それはもう、オリコンチャートがどうとか、ループ状態で垂れ流されるニュースがどうとか、そういうのはもちろんなんですけど、気持ち悪いという意味では多くの広告もそうです。
まあ正確にいうと、広告そのものが嫌というよりは、広告の内容のある側面がすごく嫌だということかなあと思うんですけど。商品の機能説明とかしてる分には良いんですね、「この洗濯機はこんなに洗浄力があがって、電気代も節約できる」とか。だけど商品の機能は飽和してきたから、昔ほどそういう広告内容は効果ないわけですよ。
で、最近の流行は一般人と思しき人々が「○○(映画名)、サイコー」とカメラに向かって叫ぶとかそういう奴ですね。あれが気持ち悪い。サイコーだと吹き込まれたところで、そもそも商品に都合がよいように編集しまくってるわけだし、そもそも映画とかそういうのって好き嫌いに個人差が激しくあるわけじゃないですか。
で、あのサイコーな広告というのは、つまり「思考停止になれ、とりあえず商品を買え」と迫ってるようにしか聞こえなくて、非常に不快です。実際、その映画を観に行ってクソ映画だと思っても、入場料を返してくれるわけじゃないですよね。それって詐欺みたいなもんじゃないかと。
映画が感動やら興奮やら、とにかくなにかしら提供してくれるのが商品で、その対価として入場料を支払うわけですよね。だから本来は観て、それぞれが受け取った感動とかの量に応じてお金を支払う仕組みにすれば良い。そこを諦めるから、とにかく広告をマスメディアでばらまいて、(悪くいうと)騙して、金を払わせたらそれでOKみたいになる。
そういう意味では、内容がサイコーとはちょっと違うとしても、とにかく何度も目に触れさせたら買わせることができると言わんばかりの屋外広告も同様に嫌。広告次第で売上が変わるのはそうだろうけど、良い商品をつくれば売れる、というところに立ち戻ろうよとか思うのです。大量の広告宣伝費を投入して売られている商品をみると「そんな金があるなら商品開発にかけろよ」とか思う。
ネットの検索エンジン業界でも、サイト価値に下駄を履かせようとするSPAM行為が取り沙汰されたりしてるじゃないですか。いまの広告ってほとんどはそういうSPAMと変わらない気がするんですよね。検索エンジン最適化の本質が「ユーザーに価値が高いページをつくれ」ということにあるように、「良い商品をつくる」ことにまずは立ち戻ろうよと思ったりします。