著作権が嫌いだ

著作権が嫌い、というと批判されると思うんですけど、これも著作権そのものじゃなくてその運用のされ方が嫌いなんですよね。マンガでも絵でも音楽でもなんでも、クリエーターの作品に著作権が認められるべきで、作品の価値に対して対価が発生するべきだとは思っているんです。
ただ、いまの著作権というのはクリエイタ―そのものではなくて、著作権を管理しているレコード会社だの出版社だの、彼らの既得権益を守るために使われているようにしか思えない。一方で、クリエイタ―の作品といっても、電子データ化できるものはインターネットのおかげで流通コストがほぼゼロになるわけで、対価が発生しなくて良いんじゃないかと思う。
有名なblogerさん達もさんざん言っているけれど、データについては全部タダになるという流れは止まらないし、そうあって然るべきだと思うのです。だってデータがタダというのは進歩じゃないですか、多くの人間にとってすごく有り難いことだし、もっといえばこれこそ革命に他ならない。
で、結局のところ、そういうデータフリーの時代にクリエイタ―はどう食っていったら良いのか、ビジネスモデルをどうしたら良いのか、が問題になります。たけくまさんやFIFTH EDITIONさんなんかはその答えが広告じゃないかと書いている。もちろんGoogle adsenseみたいなのは一つの解決策だけど、そもそももっと本質に迫る必要があるんじゃないか。

  • 以下、勢いで書くのでソース不足とかは容赦ください(間違いは指摘してもらえたら……)

その答えを、僕はラッパーのECDが示してるんじゃないかなあと思ったりするのです。彼はもともとさんぴんキャンプを立ち上げたように、日本HIPHOP界のベテランな訳ですけど、90年代終わりぐらいにレコード会社と揉めてメジャーシーンから消えるんですよね。具体的にはCCCD(コピーガードCD)を否定して、契約が切れて作品を市場に出せなくなる。
そこで彼は、自分の曲をデータフリーにして、CD-Rに焼いてライブ会場で配ってみたり、それを人々がコピーするのを許容したりした(WEBで曲をダウンロードできるようにはしてたかな……)。クリエイタ―である自分の曲をより多くの人が知ってくれる、聞いてくれるのが自分のためにならないわけが無い、そう主張していた。
そして彼は、自分の作品を聞いた人が増えることで、ライブに来てくれる客が増えたり、自分が自主制作して発売するアルバム(もちろんライブ会場や一部レコード店にしかおいていない)を買ってくれる客が増えれば、それで良いんだという方針を貫いた。実際のところ、そのころのECDのライブは目に見えて客が入っていたし、アルバムも売れていたように思う。なぜならそのフルアルバムは1000円だった。それでも、レコード会社に所属していた時代に比べて、アルバム1枚あたりの利益はむしろ上がり、収入も以前とトントンぐらいになってきたと聞いた。
で、これ以上長々と書けないから強引に端折ってみると、クリエイタ―もネットを中心にデータフリーをむしろ自ら進めて、できるかぎり多くの人に自分の作品を経験してもらい、それらの人々を客にしてライブやその代用品としての作品で稼ぐ、そういうやり方をしなよと思う。そういうやり方で食えないなら、実力がないんでしょ。……その上で、広告を載っけると良いのではないかと。
今まで音楽やってる人がライブそっちのけでCD出して食べていた、というのがおかしかったんですよ、たぶん。そう思えばP2Pyoutubeも万歳だし、海賊版は無意味。あと、そういうクリエイタ―を飼って著作権ビジネスをやってきたホルダーさんには申し訳ないんですけど、著作権既得権益化はもう大義がないのじゃないかと思いますよ。

  • 実は上記のやり方を地でいっているのが演歌歌手の方々かなあと思って、密かに僕は共感しまくりです
  • もちろん商品になりやすくて、広告に絡めると売れる、という人もいるだろう。そういうクリエイタ―&ホルダーは今まで同様にどうぞ……
  • 書いていて思ったけど、音楽や映像のクリエイタ―は良いとして、マンガとかはどうしたらいいんだろうなあ……いずれ考えてみます
  • ECDって最近どうしてるんだろうとチェックしてみたら、相変わらず元気そう。OLD FASHIONさんの文章はライブの価値をよく伝えてますね。久しぶりにライブ行こうかな

OLD FASHION: ハンドマイクのECD

参考:ECDのサイト(過去のものが残ってる)

ECD

参考:有名なblogerさん達

たけくまメモ: ソフトがタダになる時代

FIFTH EDITION: ネット時代の商業ソフト販売