ほくろ

お祝いのメッセージを
くださった皆さんどうもありがとうございました。


僕はおかげさまで、昨日、34になりました。


34ってのはどんな風に
やってきたかっていうと、
ついにでも、ようやくでも、
いきなりでもない。


素直に34が来たってかんじだ。


あんまり僕はむかしと変わっていない
と思っている。


相変わらず、肩がこるとか
いろんなことがあるけれど、
大きなことはあんまり変わらないんだ。


ところで、そんな僕は今日、ほくろが
取れるということを知った。


34歳で初発見はこれであった。


取れないはずのほくろが
取れてしまうことを知った。


そんなアホな。


別にどこかの「しみ・ほくろとり」
とかいう怖いチラシにのって、
うんちゃら整形外科にいったわけじゃない。


いきなり、ヤツはとれたのだ。


いや、正確にいえば、ちょっと引っ掻いた。
少し血が出た。
かさぶたも出来た。


で、また引っ掻いた。
少し血が出た。
かさぶたも出来た。


これを繰り返したら、ほくろが取れたのだ。


34の僕は今日、そんなどうでもいい
新しいことを知った。


日常は旧い景色や體験や読書の
積み重ねだという。


でも違った。


そうじゃない。


ほくろが取れたのだ。


體験や読書の積み重ね、
確かにこれらはかつては
修養と呼べるもの
だったかもしれない。


修養、それは僕をつくったろう。


でも僕は今日、身体に
ぴったりだったほくろ
ー修養がとれたのを確かに見た。


驚いた。
少し悲しいきもちも、
少し嬉しい気持ちもした。


とれたほくろは
どこへ行ったのか考えてみたら、
とても眠くなって、34歳が
1日過ぎたのをみました。