ご当地の分厚い底

今号の『ユリイカ』さんは
B級グルメが特集だ。


実は次回予告でそれを知った自分は
ヘドが出そうな特集だと思っ(てい)た。


なぜかっていうと
最近、地方自治体職員の方の名刺に
ゆるキャラが印刷されているのをみたり、
広報室や東京事務所の類に
ご出向されている方が
ご当地グルメ的B級を似合わぬ体(てい)で
必死にPRしているのを見ていると気持ちが
ずいぶんと沈むことがあって、


おそらく、今回の『ユリイカ』の
B級グルメ特集も
そういった一連の寒々しい
B級グルメ大会とかの特集なんじゃ
ないかと思った(思い込んでいた)ためだ。


きっと、またご当地グルメの紹介や
自治体や観光協会並びに関係団体、
NPOの人たちの
PR誌(餌食)みたいなんだろうなぁと。


読後、僕は驚いた。



その特集なるは
僕の想像と大きくことなった。


湯島のうますぎる
とんかつ屋「ぽん多本家」の食後感と
同一の相当なる美味であったのだ。


いい特集だった。


こういうのをお役所は読んだほうがいい
と思う。業界紙とか成功事例集とか捨てて。

もしくは無理してあんなまずしい
恥ずかしい「ご当地」に自分たちを
おとしておとしてPRしていく
手法なんて採ることをやめたらいい。


予算はあなたのお金じゃないしね。


ところで


僕は福田和也をなんとも思わないが
彼が「B級グルメの大会ってなんなんだろうね。
競争とかしてるし。B級っていうんなら
競争からおりなきゃいけないのにね。」
と対談最後にいったのは正しいと思った。

きわめて正しい。

日本の多くの地方自治体はじめとする
コンサルタントたちは
こうったセンスを欠いている
と僕は思う。


「ご当地」のDIY
自治自立・自律)ぶりや
「ご当地」の持つダイナマイト級の
感性や知を知らない。

ご近所の底力とかいうけど、底力をなめてるね。

底力ってのは、
あんなちょっとボランティアで
後世にいいこととか、
そういう力をいうんじゃない。


それらは、単に数十年しか
生きていない地域や歴史性の
表面にちょっと腰掛たくらいの僕たちが
語ることが出来ないような
とてつもないものなのだ。


残念だけどそれを知らないってことは
それを想像すらしていないってことは

彼らは「ご当地」をちっとも信頼していない


ってことになる。



そんな地域活性も
まちづくりもうまくいくわきゃない。


僕はそう思う。


要は、どこで競争しますかってこと。
その競争って一体なんすかってこと。


「希望が湧く未来」っていう
その「希望」はどの程度の
一体、何の「希望」なのか。


これを考え忘れると、
クソのような地域再生論が
溢れ(てく)る。